事業内容

1 漁村地域活性化のコーディネート

漁村地域に限らず、地域が元気になるのに不可欠なものは「人」です。
弊社は担当者が関係者の皆様と一緒に活動することを基本としています。
単なるアドバイザーとしてではなく、活動メンバーの一員として取り組みに参加します。

弊社は、水産系の専門知識を有しておりますので、経営改善、問題解決などに際し、水産生物学、漁具漁法学、水産物利用学、などの知見に基づく専門技術的なアドバイスを行う事ができます。
これにより漁村ならではの魅力の創出や、漁業の実情にあった問題解決方法の提案などを行っています。

問題点の整理、目指す目標の明確化、取り組み内容の決定、取り組みの実践…
弊社では、一緒に活動する中で関係者の方々が経験を積むことと、考えて行動して頂くことを重視しています。
これらを通じ、地域の活性化のための「あらたな人」を育成し、その地域の取組が将来まで継続していくようにコーディネートいたします。

2 講師派遣

地域活性化のための勉強会、セミナーなどへの講師を派遣いたします。
今後の取組展開につながるような内容をご用意いさせていただきます。
弊社は通常は漁村地域の活性化に取り組んでいますが、
漁村以外の地域にもお役にたてる内容をご用意させていただきます。

取り組み事例のご紹介

① A漁協 漁協直営の食堂を軸とした直販事業の展開

取組前の状況

 この漁協の魚は、ほとんど全てが地域内の消費地市場に出荷されていました。周辺人口はあまり多くないため、漁獲量が少し多くなっただけで、すぐに地域内の需要を上回り、値崩れを起こします。近年では、通年でなんらかの魚種が値崩れしているような状況でした。

 A漁協は、小さな規模ですが、数年前から直営の食堂を運営していました。しかしながら、食堂を漁協で運営する意義や目的が不明確なままで、食堂の運営に反対する組合員も複数みられました。

支援の概要とその後の状況

 まず、漁協で食堂を運営する意義を明らかにし、目的や状況を組合員に報告する説明会を開催してもらいました。この食堂は、「地元の魚料理を提供することで、地魚のPRをする施設」という目的を説明し、将来的には地域外に魚を販売し、値崩れを軽減しようというビジョンも掲げました。

 また、この食堂では値崩れしている魚種を使ってメニューを構成することを提案しました。値崩れする魚種は季節ごとに変化するため、食堂のメニューを季節ごとの入替制にすることも提案しました。ご来店の頂いたお客様に次の季節のメニューを紹介し、ご来店を促すことで、お客様のリピート率も高くなり、売り上げの増加が続きました。売り上げの増加に伴い、食材用として組合員から仕入れる魚の量も増え、組合員の増収にもつながりました。また、多くのお客様にご来店いただいている状況を目の当たりにした組合員には、食堂運営の必要性に理解が進みました。

 組合員からの理解を得たことで、その他の事業展開にも道が開けました。値崩れを軽減するというビジョンに向かって、直売所を開設しようという展開つながりました。現在は、既に直売所が開設され、「食堂もある直売所」という事業展開が進んでいます。新鮮な魚を買う、食べるという魅力により、地域外からのお客様も多く、将来ビジョンに近づきつつあります。

支援内容

 目的の明確化と共有化、食堂コンセプトの提案、食材とする魚とメニューの提案、市場分析と顧客ターゲットの明確化、経営分析と採算性の検討、PR活動の支援、売上増加のための仕組みの提案、内部の理解促進と合意形成のための勉強会の主催、など

② B漁協 漁業者グループで運営する直売所の経営改善

取組前の状況

 B漁協には、漁業者グループで運営する生産者直売所がありました。しかしながら、経営状態が思わしくありませんでした。直売所は委託販売方式で、売れ残った魚は出荷した漁業者が引き取ることになります。出荷した魚の売れ残りが多いと、漁業者は出荷量を抑えるようになり、直売所以外への出荷をしてしまいます。これが続くと、店舗としては慢性的な商品不足となり、お客様にご来店いただいても、商品が並んでいないという状況が発生します。商品が並んでいない店舗からは、お客様が離れていくことになり、これはさらなる出荷量の抑制という悪循環を引き起こします。

 現状把握のため、関係者からの聞き取りを進めていくと、経営者である漁業者グループのメンバーは店舗のスタッフの不満を言い、店舗スタッフは運営側の不満を口にしていることに気付きました。また、店内にも改善を要する点がいくつもあり、その改善点が長く放置されているという現状も非常に気になりました。

支援の概要とその後の状況

 はじめに、慢性的な商品不足を解消するため、売れ残り覚悟で少し多めに出荷することを話し合ってもらいました。また、商品の種類を増やすため、近隣の漁協からも魚を出荷してもらうこととなりました。これらに加え、一度離れてしまったお客様に再度ご来店いただく機会をつくるため、漁協主催のイベントを定期的に開催することにしました。

 また、もう一つの大きな原因が、経営者と店舗スタッフが一緒のチームとして取り組めていない点にあると考えました。そこで、経営者から店舗スタッフまで、全員を対象とした勉強会を開催し、共通の目的意識とチームとして一緒に取り組める体制づくりに取り組みました。店舗スタッフが気持ちよく働いてもらえる仕組みを提案し、スタッフのやる気の向上に重点を置きました。

 その後、スタッフ側から、これまで放置されていた店内の問題点に対する改善のアイデアや、お客様からの要望についての情報が多く出るようになりました。「お客様のニーズに直接触れているのは、経営者ではなく店舗スタッフである」ということを経営者にも認識してもらい、スタッフからの情報に迅速に対応していく運営体制づくりを行いました。店舗の問題点に迅速に対応していくことで、お客様から評判も良くなり、経営状態も徐々に改善していきました。

主な活動内容

 内部のコミュニケーションの改善、取り組み目標の明確化、店舗改善に関する提案、運営体制の改善、店舗PRのためのイベントの企画、など

③C市 新設する水産業活性化施設の計画策定

概要

 C市は、地域の水産業の活性化のための施設の建設を計画していました。施設は地元の水産物や沿岸漁業ならではの魅力を発信し、観光客・買い物客を誘致することで、地域の活性化と漁家経営の改善を目指すものでした。その施設で実際に行う取組内容や、施設内の配置などについて計画策定に関わりました。

実際の取組手順

 このような場合、「この地域の課題は何なのか?」という点と「それをどうやって解決するか?」という点が計画のスタートとなりますが、これに加え、漁業者に対し、「自分たちはどうなりたいのか?」という点を問いかけました。行政側の思惑と、現場のニーズが一致しておらず、「施設はできたものの…」という事業も少なくありません。実際、この地域でも施設の建設を希望しない漁業者が多くいました。理由は「今のままで良い」や「失敗したらどうするのか」というものでした。しかし、今のままで漁業を続けた場合の「将来のこの地域」を一緒に考えていくうちに、今のままでは厳しいと考える方が増えていき、「自分たちはどうなりたいのか?」が明確になっていきました。

 施設内には、漁業者がお客様に直接魚を販売できるコーナーを設けるように提案しました。ここで販売を行う漁業者にとっては、これまでの漁労作業に加えて販売の作業を行うことになります。販売の作業が、漁労作業に負担がかかるようでは、取組は長く続きません。漁労作業やその準備の実態を把握し、これらとうまく両立でき、しかも地域の魅力を十分に伝えることのできる販売方法と、それを実現する設計を提案しました。

 「自分たちはどうなりたいのか?」を明らかにし、具体策を提案し、取組を一緒に作り上げていくことで、「施設はできたものの…」という状況は回避できます。現在、完成した施設は順調に運営されており、施設内は漁業者とお客様の活気にあふれています。

主な活動内容

 地域の問題点の整理、漁業者の意向調査、取り組み内容の提案、参考事例の提示と視察の提案、施設の内容と配置への提案、漁業者への説明と合意形成への支援、など

FAQ

Q.取組実施の必要性は認識しているが、実際に何に取り組むべきかわからない。

A.まずは関係者を集めて、勉強会を開催します。勉強会を進める中で、地域の問題点を再認識しましょう。その後は、実際に何に取り組むかを明確にした上で、弊社とともに取り組みを始めましょう。

Q.取り組みを実施するための、専門的な知識がある担当者がいない。

A.弊社の有する専門知識を使い、担当者の技術向上をお手伝いします。

Q.取り組みは決まったが、関係間で合意形成ができず、取り組みが進まない。

A.この場合も、勉強会を開催します。地域の課題と問題点の共有化を図り、関係者の合意形成ができるように弊社がサポートいたします。

Q.新しい取組の担当者のための職員の雇用は経営的に厳しい

A.初めはパートの職員さんでも結構です。あるいは、漁業者みなさんに少しずつ活動に取り組んでもらう体制でも良いかもしれません。弊社が一緒に取組を行い、みなさんの技術向上をお手伝いします。取組が軌道に乗り、展望が見えてきた頃に正規の職員さんを採用すれば良いと思います。

Q.取組を実施中だが、うまくいっていない。

A.地域ごとに問題点は異なりますが、根本にあるものは同じだったりします。問題点を明らかにするため、弊社担当が取組に参加させていただきます。その中で問題点を指摘し、改善の提案をします。弊社では、一般的な解決手法を基礎としながらも、地域ごとの問題点を細かく診断することを重視しています。

Q.漁業特有の問題があり、取り組み実施が難しい。

A.漁業には、「環境、資源状況、天候などの影響を大きく受ける」「商品の鮮度が落ちやすい」「資源は無主物であるため略奪的な漁業になってしまう」などといった漁業ならではのハードルがあります。これらのハードルは地域の活性化を目指す上でクリアしなければならない点でしょう。弊社は、漁協、漁村地域の活性化を専門としていますので、このような問題点にも専門的な知識で対処していきます。